ガス事業と電力事業の円滑な相互参入
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海外の事例を基に、今後のガスと電力の相互参入についてみていきます。
(一般社団法人エネルギー情報センター EIC運営事務局)
エネルギー分野全体のシステム改革
しかし、自由化による垣根の撤廃に伴い、閉鎖的であったエネルギー産業に技術革新や異業種連携の機運が高まっていくと思われます。
それらがエネルギー業界を効率的な構造へと変革し、現状の分断されたエネルギー市場を統合していきます。
その中でガス・電力の相互参入による総合エネルギー企業の創出が期待されます。
ガス・電力の相互参入により期待される効果
ガスと電力のセット販売
新電力事業者が、電気を販売する需要家に対して同時にガスもセットで販売する「セット販売」も拡大していくものと思われます。
ガス事業者にとっても、新電力事業者との提携などビジネスチャンスが広がります。
海外の事例を見ると、英国、フランス、イタリアなどの事業者においてセット販売が提供されています。
英国の規制当局が調査機関に委託して毎年実施しているアンケート調査によると、英国でガスと電力の双方を購入している需要家は約90%、その約70%がセット契約であると示されています。
英国においてはセット販売が一般的となっていることが伺え、日本でも同様の動きが起こる可能性があります。
電力・ガスのシナジーによる効率化
例えば、カスタマーセンターや書類作成などの実務をガス事業にも適用することにより、範囲の経済が働きます。
事業の多角化による収益安定化に寄与する効果も期待できます。
セット販売の場合は、電気とガスにどのように利益を配分するかについても、戦略的に決定することができます。
これにより、ガスと電力を各々で評価するのではなく、全体としての利益から価格を算定することができます。
同一事業者から電力・ガスの購入を一括化したいという要望などにも応えることにより、需要家の選択肢も広まります。
自社の発電所を所有している場合は、それぞれのエネルギーを保有することにより、コモディティ価格変動に対するリスクヘッジ・取引の効率化が実現すると考えられます。
電力の価格が高いときは、ガスを発電所で電気に変換して売却、逆にガス価格が高いときには、そのままガスを売却するといった事も可能となります。
まとめ
自由化により、ガスと電力双方の垣根が撤廃され、セット販売等による顧客訴求や事業効率化、コモディティ価格変動のリスクヘッジが可能となり、より多様で経済効果の高い市場が形成されていくと期待できます。
企業名 |
一般社団法人エネルギー情報センター |
---|---|
事業内容 |
|
設立 |
平成26年12月4日 |
URL |
http://eic-jp.org |
一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
web : http://pps-net.org
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