ビジネストレンド

異業種提携が開く新たな可能性           

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最近、異業種による提携が増えています。例えば、ローソンと佐川急便、楽天とヤマト運輸などの提携といったものです。企業提携といえば、これまでは規模を大きくして規模のメリットを得るとか、自企業に無いものを取り込んだり、弱い部分を強化するというものでしたが、最近では新しいシステムを作るというものが増えているように思います。中でもローソンと佐川急便の提携は注目です。これまでも物流企業は、コンビニエンス・ストアを受付窓口として、深い関係を築いてきましたが、明らかに一歩踏み込んだ関係を築こうとしているのです。

戦後日本の流通の発展

戦後日本には、GMS(大型スーパー)、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、ホームセンターを初め、さまざまな企業が出現しました。それには流通・情報システムの発展が大きく寄与しています。商品を保管する物流センターをつくり、店舗の情報をいち早く受理し、適切な商品を適切な時間に店舗に届けることが可能になったのです。

高齢化社会、過疎化の現実

ところが、高齢化・過疎化の前には、これまでの流通・情報システムが無力であることが明らかになってきました。店舗を利用できない人が出てきたのです。過疎化で近くの店舗が撤退し、店舗まで車で時間を掛けて行かなければならないとか、高齢化で坂や階段が店舗までの障害になるといった人が多くなってきたのです。必要な流通は、店舗までではなく、個々人にどう届けるかが大きな課題になってきたのです。そこで宅配事業に取り組む小売企業も出てきましたが、店舗での作業に宅配を組み込むのは至難の業です。小売業の利益構造は店舗のお客を中心に出来上がっているのです。

プロ同士の提携

その点、ローソンと佐川急便の提携は、店舗販売業と物流業のプロとの提携です。ローソンは、店舗システムを崩さずにお客の注文に対応することが可能ですし、佐川急便は、これまでの荷物だけでなく、ローソンの商品を運ぶこともできますし、ローソンのチラシで注文を取ることも出来るようになります。お互いにメリットを享受しながら問題解決が出来るのです。プロ同士の提携に注目です。

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