リスク管理

会社を守る財務戦略           

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2015年10月01日

保険は資金繰りの備えにも!

不測の事態が生じ、資金繰りが難しくなった時、どうしますか? 備えあれば憂いなし、今回はそんな時に役立つ、保険のもう一つの役割についてお話しします。

経営者の保険といえば

経営者の保険といえば、以前は社長の「万が一」の備えとして死亡保障が中心でしたが、最近では保険商品も多様化しており、魅力的な機能を持った商品が開発されています。

元気で頑張っている社長さんにとっては、「万が一」の保障よりも、もっと興味があることは、何と言っても「資金繰り」ではないでしょうか。資金繰りは会社にとって“命”です。もし資金繰りが難しくなり、金融機関からも借り入れができないとなるとどうすればいいのか。しかし預金をこつこつ増やしておくことが資金繰り対策として重要であることは十分わかっていても、なかなか貯めることができない社長も多いのが実情のようです。

銀行預金のように

銀行預金のように、口座にいくら貯まっているか直ぐに「目に見える預金」では、ある程度の現金が貯まってきたり、貸借対照表の現預金が3,000万円、5,000万円といった数字になっていたら、少しくらい使ってもいいだろうと、ついつい欲しいものに手を出したくなったり、もちろん、多方面にわたって資金投資をしていることもあるでしょう。しかし予想外のことがおこり、資金繰りに苦しむこともあります。その時に資金繰りを少しでも楽にできたら、経営者はどんなに安心するでしょうか。

生命保険の役割

こうした不測の事態に備えて、生命保険の役割の一つに「資金繰り機能」があります。

商品の中には、何かあった場合に保険を解約して、貯まっている現金を使うことができる保険商品があります。解約返戻金が払い込み保険料の90%以上、年齢によっては100%近くになる場合があります。こうした保険に加入することにより、資金プールもでき、会社がいざ資金繰りが大変になった時には解約金を使うことで対応、また、対銀行やリースの与信等で絶対に利益を出したい時にも使えます。当然保険ですから、その間「万が一」の保障も付いています。また保険料の一部は損金扱いになるため節税効果もあります(利益の繰り延べ)。

生命保険は半ば強制預金効果の性質があるからです。銀行口座とは異なり、直ぐには「見えない現金」として知らずに資金をプールする「含み資産」として、会社のリスクをしっかりヘッジしてくれる効果があるのです。
ライター紹介

K.Sソリューション 代表 底田 一枝

国学院大學短期大学国文科卒業。英国留学(アビーミショナリースクール)1年。マーケティングリサーチ会社勤続後、某国内生命保険会社に勤務。2011年FP事務所「K.Sソリューション」設立。 川口法人会会員、サイタマ・レディース経営者クラブ会員、一般社団法人日本オオカミ協会会員。
E-mail : sktkazu_ba_1990@yahoo.co.jp

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