「匠大塚」のオープンで始まった父娘の新たな戦い
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春日部駅西と東の戦い
メディアは、この競争を親子の確執に重点を置き、路線の違いにはあまり目が向いていないように思われます。もともと親子の確執は、ビジネス路線、取分け店舗政策の違いにあったように思うのですが。政策の違いは店舗を見れば明らかです。その路線の主な違いを探ってみましょう。
「匠大塚」が訴える家具の素晴らしさ
逆にIDC大塚の方は、大衆路線です。産地やブランドに拘らず、色・柄、デザイン、機能性など消費者のトレンドを重視しています。決して安ものを売っているわけではないのですが、価格を押さえてより多くのお客に購入しやすさを訴えています。換言すれば、使う側の便利性、趣味-嗜好性に重点が置かれているのです。匠大塚が作り手を大事に考えているのに対し、時代の変化に柔軟に対応していこうという政策と見えます。
家具の歴史と伝統ということから考えれば、職人の作る見事な家具が無くなっていくのは残念なことです。匠大塚の商売は、こうした意識に応えるものと言えます。とは言うものの機械も導入した大量生産で、より安価な家具が手に入るのも有り難いことです。匠大塚のビジネスは、伝統的な家具職人の技術を守っていくことになりますし、IDC大塚家具は、一般大衆が、無理なく購入可能な家具を提供することになります。どちらも捨てられません。
IDC大塚家具を凌ぐ圧倒的規模
2つの店舗で相乗効果を生む?
折角、停滞する家具需要にインパクトを与えることになったのですから、上手に棲み分けをすれば、今回の騒動も無駄にはならないのではないでしょうか。
内呂民世(うちろたみよ)
流通専門出版社で月刊誌の編集長、出版部長を勤めた後、2008年から11年まで立教大学大学院講師。現在流通コンサルタント。
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E-mail : PXL11271@nifty.ne.jp
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