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「ストレスチェック制度」の施行に注意!!           

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今年(2015年)12月1日から「ストレスチェック制度」が施行されます。昨年5月の労働安全衛生法(安衛法)改正に伴ってこの制度が事業者の義務とされるのです。すでに準備は進すんでいることと思いますが、再度のチェックをしておきましょう。

増大する精神障害の実態

今回義務化されるのは、従業員50人以上の全事業所で、50人未満の事業所は、当分の間努力目標ということですが、最近のようにストレスがますます増大する状況の中では、線引きは難しいところです。

労働安全衛生法は、1972年(昭和47)6月に“労働者の安全と衛生”についての基準を定めた法律ですが、これまでも何度かの改正が行われています。「ストレスチェック制度」は、今回改正される7項目の一つですが、精神障害を原因とする労災認定件数が増加していることを踏まえて義務化されたものです。

厚生省の広報によりますと、2012年(平成24)の労災補償の支給決定件数は、前年度比約1.5倍の475件と高水準になっています。さらに2013年(平成25)の自殺者数でみると総数2万7283人のうち死亡世代の第一位は、働き盛り世代となっています。

時代と共に姿を変える「安衛法」

安衛法のこれまでの流れを見ると、1988年(昭和63)の改正では、労働者の健康の保持増進が義務とされ、1992年(平成4)の改正では、快適な職場環境形成のための措置が努力義務とされました。また、1996年(平成8)では、健康診断後の医師の勧告を尊重し、必要な措置を講ずべきものとしました。さらに2005年(平成17)の改正では、長時間労働による心の障害例が多くなっていることから、長時間労働者などに対する医師の面接指導制度の導入が行われました。

「ストレスチェック制度」のポイント

今回の改正は、これまでのものをさらに深化させたものとなっています。「ストレスチェック制度」で事業者に課せられる義務には、①常時使用する労働者に対し定期的にストレスチェックを実施すること。検査の結果は、直接本人に通知され、本人の同意なしに事業者に提供することは禁止されています。②検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申し出があった場合には、医師による面接指導を実施すること。申し出を理由に不利益な取り扱いはできません。③面接指導の結果により医師の意見を聞き必要に応じて就業上の措置を講じること。さらに、④ストレスチェックの実施時期、対象人数、受験人数、面接指導の実施人数などを1年に1回労働基準監督署に報告しなければなりません。

詳細は厚生労働省のサイトをご参照下さい。

こころの耳 改正労働安全衛生法のポイント(ストレスチェック制度関連)

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