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ネットに書きこまれた悪意あるデマや誹謗中傷、削除させることはできるのか?           

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ネット社会では、誰でも自由に情報発信が可能。便利な一方で、無責任なデマや誹謗中傷も数多くみられます。あなたの会社や商品、社内の人間について、ネット上に事実無根のデマが流れたら?! 風評被害になりかねない、ネットのデマに対策はあるでしょうか?

検証無しで話題づくりをする、アクセス狙いのブログに注意

情報を発信する個人ブロガーの中には、検証無しに噂や感想を文書化する人がいます。ネット情報の怖い点は、あいまいな情報や事実過誤であっても、コピペされて拡散するうちに、信憑性を帯びてくること。中にはアクセス数を至上として、確信犯的に話題作りをする悪質な者も存在します。

 

こうしたネット情報に個人あるいは企業が攻撃された場合、「無視する」方法も1つですが、悪質な場合は見過ごさず対処する方が良い時もあります。

ネット上のデマや誹謗中傷を排除する手順

風評被害が懸念される商品の悪評、当事者にダメージとなりそうな誹謗中傷を

ネット上で発見したら、以下のような手順で対応します。

手順1 書き込みを保存する

書き込みのあったブログや掲示板のURLを保存します。画面をプリントアウトする、スクリーンショットを撮るなどして、しっかり証拠を残します。スクリーンショットが撮れない場合は、デジカメで撮ってもいいでしょう。

手順2 プロバイダーを確認する

URL[http//www.〇〇〇.〇〇.jp(またはcom)] の〇〇の部分がプロバイダーです。URLだけで判らない場合は、ドメイン検索サービスを利用してサーチします。

[ドメイン検索サービスサイト]

国内ドメイン検索サービス

MSE IPドメインリサーチ

 

手順3 スレッドまたは掲示板へ削除をお願いする

まずは正攻法で対応します。スレッドや発言に対して、①こちらが当事者であること、②情報が事実でないことを伝え、スレッドまたは発言の削除をお願いします。この際、ビジネスマナーを守り冷静で丁寧な文章で対応するのがポイント。悪意がない無自覚な相手なら、これで終わる場合もあります。

コメントが承認なしに反映されるサイトの場合、コメント画面を保存して、「削除を申し入れた」証拠にします。掲示板の場合は、削除要請の仕方が掲示板ごとに異なるので、掲示板の案内に従います。

手順4 プロバイダーに削除申請する

手順3で削除申請をしても反応がない、もしくは削除してもらえない場合は、プロバイダーの方へ削除申請をします。その際、「ブログもしくは掲示板上の情報が虚偽である、または人権侵害である」ことをしっかり伝えます。発信情報が悪質な場合は、最終的に裁判にする可能性もあるとして、発信者のIPアドレスの保存を要請します。

大手プロバイダーは何千件も削除申請を抱えているので、対応が遅くなりがち。あまりにも手間取る場合は、総務省に相談したい旨をプロバイダーに伝えます。それでも対応に時間がかかるようなら、法務省・地方法務局に相談します。

総務省がネットを悪用した人権被害に取り組み

インターネット上の悪質なデマや人権被害に対しては、総務省も対策に乗り出しています。パソコンからも電話からも相談できる窓口が開設されています。自分達の力で対応しても解決しない場合、協力を求めることが出来ます。

総務省:「インターネットを悪用した人権被害をなくしましょう」

削除スピードが大事ならプロを使う方法も

上記の方法で削除を申請するのは、基本的に無料。個人で対応する場合、コメントの返事待ちやメールのやりとりで、単純なもので削除までに10日~2週間前後はかかるのが一般的です。

〇削除申請に対応する時間が無い

〇出来る限り早くネット上の情報を削除したい

〇発信者が悪質

 

と言う場合は、風評被害削除サービス会社に[有料で]依頼する方法もあります。価格に関しては、ケースバイケースなので一概に言えませんが、通常大手はネット上に無料相談・見積り窓口を開設しているので、価格や対応内容などを比較してから依頼するのがお薦めです。

 

[風評被害削除サービス企業例(順不同)]

ジールコミュニケーションズ

誹謗中傷対策センター(ネクストリンク)

ソルナ株式会社

株式会社エーディーシー

ネット上のデマは「関わるだけ無駄」という考え方もあります。しかし、事実無根のデマ情報には、毅然とした対応も必要。風評被害や人権侵害を許さない姿勢は、企業のイメージ管理にも役立ちます。
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