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【連載第14回】電力自由化がもたらす未来③ -節電するとキャッシュバック?-           

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第12回~第15回では「電力自由化がもたらす未来」と題して、電力自由化(電力小売全面自由化)の時代に新しく登場するテクノロジーやサービスについてご紹介します。
今回はアメリカやヨーロッパで登場した新たなサービス、デマンドレスポンスについてご紹介します。

1. 電気を使わないとお礼がもらえるサービス?

「デマンドレスポンス」というシステムが、これからの電力事業における新たな考えのひとつとして重要視されています。
デマンドレスポンスとは、「電気使用量を皆で連携して上手くコントロールしよう。協力した人にはそのお礼がもらえますよ。」というものです。
例えば電気をたくさん使う夏の昼間のタイミングで「明日の昼間は、電気が足りなくなってしまう」ことを電力会社が事前に把握し、それを顧客である各家庭に伝えます。
その通知を受け取った人は外出を心掛けるかもしれませんし、ある人は不要な家電の使用を控えるかもしれません。
そして、そういったアクションを起こした顧客に対して、ポイントを付与したりキャッシュバックをしたりします。
このようにピーク時の電力消費を抑え、電力の安定供給を測り、消費者側が電力システムに参画できる仕組みがデマンドレスポンスです。

2. 欧米では既に普及しているデマンドレスポンス

このデマンドレスポンスは欧米などでは既に普及しています。
アメリカには節電要請を電力会社から受けて、契約家庭やマンション、工場に「明日はこの時間に節電してください」と伝え、節電してくれた人に対してポイントやクーポンなどでお礼をする「デマンドレスポンス・プロバイダ業」というものが存在しています。
中にはエナノックという会社のような上場会社も登場しています。電力会社としても、追加の発電は非常に高コストなので、節電してくれた家庭や企業に対して報奨金を支払う方が全体的に安く済むのであれば、そちらを選んだ方が良いわけです。
そういった仕組みを今すぐに実現するということは難しいかもしれませんが、スマートメーターやHEMSの進化によって電力供給者と消費者側が連携して上手く節電を行い、エネルギーを今よりもずっと効率的に使える社会が来るはずです。

3. 日本でも導入に向け実験中

ちなみに、実証実験レベルではありますが、日本国内でも一部の地域や自治体でデマンドレスポンスを導入・実践しています。
今回の電力自由化でスマートメーターの導入に拍車がかかることによって、デマンドレスポンスも進化・普及していくのではないでしょうか。
これまで消費する一方だった電気が、節電することで収益のチャンスになるのは、とても興味深いことだと思います。
企業情報
企業名
RAUL株式会社
事業内容
  • エネルギー自由化推進事業
  • 環境経営・CSR活動支援事業
  • グリーンコンシュマー支援事業
  • ソーシャルビジネス支援事業
設立
2005年3月
URL
http://www.ra-ul.com
ライター紹介

RAUL株式会社

慶應義塾大学経済学部卒業 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。 エネルギー/化学産業本部(リソースグループ)に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクト等に参画。 アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年にRAUL株式会社を設立。   著書 『かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門』

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